約1年前の〃ちっぽけな〃詐欺事件が時を経た今、大きくクローズアップされようとしている。水面下で、ある人物による〃詐欺事件〃が、囁かれているからだ。
約1年前のことなのだから、いささか旧聞だ。新聞各紙朝刊に、こんな記事が載っていた。
〈首都圏を中心にチェーン店「びっくり寿司」などを運営する「びっくり本舗」(東京都世田谷区)の元オーナー男性から、現金5億円をだまし取ろうとしたとして、警視庁は職業不詳の原田豊實(63)と田中誠司(50)の両容疑者を逮捕した。
発表によると、2人は昨年4月、元オーナー男性に「会社から金を借りているだろう。脱税に問われますよ」とか「偉い先生に話をつけるので5億円」などというウソを言って、5億円をだまし取ろうとした疑い〉
率直に言って、なんの変哲もない詐欺未遂事件だ。唯一、目を引くとすれば、被害者が東京都や神奈川県に「江戸前びっくり寿司」「回転びっくり寿司」など、約40店舗を展開していた急成長企業「びっくり本舗」の元オーナーであることぐらい(なお同社は約50億円の負債を抱え、08年10月に民事再生法の適用を東京地検に申請した)。
紙面の片隅に埋もれてしまいそうな、こんな記事を今ここで取り上げたのは、このとき逮捕された「原田豊實」なる人物ーーこれがその理由だ。
核心に入る前に、この原田氏についての大手新聞社会部記者の話を書き残しておく。
「東京都内のある会社の社長も、彼に約8000万円ほど、だまし取られています。約2年前のことですが、手口は〃びっくり寿司事件〃とほとんど一緒。『国税が内偵調査をしている。私が国税、警視庁に手を打つ。そのためには金が必要だ』というもの。
また彼は会社役員と共謀して、相続税申告書を偽造するなどして、相続税法違反で起訴された。確か1年ちょっとの実刑判決だった、と記憶しています」
このような原田氏の被害者は、そのほか複数いるというから、この原田氏、根っからの詐欺師だ。
手元に1枚の名刺がある。それには、
国際経済研究所 会長 原田豊實
こう打たれている。その住所は東京都品川区北品川4ー7ー37。通称、御殿山ヒルズの一角だという。
これは都内で不動産業を展開するA氏(匿名を条件)が、私のところに持ち込んできたものだ。そのA氏が打ち明ける。
「ひょんなことで、この男と知り合ったのですが、確実に融資を受けることが出来るルートを持っている、というのです。で、それを受けるためには多少の費用がかかる、と。
名刺の肩書を見ると〃なるほど〃それなりの人脈を持つ人、と思いましたし、いま私の事業も、この経済下で資金繰りに四苦八苦しているのでーー正直な話、一時、その気になりました。
が、話を聞いているうちに、だんだんと疑問がわいてきて、この融資話は断りました。しかし、私の周辺にはこれに乗り、結果的にだまされた事業主が複数います」
実は、この名刺に刷り込まれた「原田豊實」をして、私に先の新聞記事を喚起させたのである。まさしく同姓同名だ。だからと言って、同一人物とは限らないことは十分承知している。
しかしーー。
このとき、原田氏がA氏に「偉い先生に話をつけるので・・・・」(冒頭の記事参照)と言ったかどうかは別にして、前記の詐欺未遂事件と、その手口が余りにも酷似しているのだ。
「一般的に言って、マルチ商法にしても、詐欺事件などは同じような人物が、同じような手法で繰り返す。と同時に、そうした輩はとにかく言葉巧みです。信じ込ませる」(元警視庁警部)
さて〃こちら〃の原田豊實氏だ。それにしても「国際経済研究所」とは言いも言ったり〃いかにも〃という名称、肩書だ。詐欺事件に詳しいフリージャーナリストのK氏が指摘する。
「融資とかの詐欺事件では、経済〃研究所〃〃懇話会〃〃事業団〃などの肩書が多い。また〃国際〃〃世界〃〃日本〃などもよく使われる」
先のA氏の話(および〃びっくり寿司〃事件)を確認すべく、ここはぜひ原田氏に登場願いたい。で、国際経済研究所に電話で取材を申し込んだところ、受話器を取った女性は「会長は外出中です」ーー。
それで「いつ帰るのか」と質すと「わかりません」と応えるので、「では、そちらにお伺いして名刺だけでもお渡ししたい。場所は御殿山のビジネスタワーと聞きましたが・・・・」と申し出ると、一瞬間をおいて「原田の方から連絡をするように伝えますので電話番号を」と(結局、この稿の締め切りまでには連絡はなかった)。
このとき、困惑した女性の様子がリアルに想像できる受け応えだったことを付記しておく。
このやり取りを聞いて、前出のジャーナリストK氏が、
「御殿山のビジネスタワーあるいはマンションに事務所を置くのは、ひとつのステータス。その〃会社〃の信用が増すというものです。一般的にはむしろ、その事を強調するのでは」
と、暗に〃その場所〃には事務所を構えていないのでは、と疑問を呈するのである。
しかし、今時こんな「古典的」「典型的」という形容詞がつくような〃詐欺もどき話〃に、簡単に引っかかるものなのかー。
前出のA氏が証言する。
「私が会った原田氏の場合、本当に話がうまい。〃臨場感〃たっぷりで引きずり込まれていくのです」
これを補足する形でジャーナリストK氏が指摘する。
「時々、お化けのように出てくるM資金がそうでしょう。たとえ荒唐無稽な話であっても〃あり得ないことではない〃と持っていく。それは言葉巧みです。だからこそ、過去に1部上場企業の社長が被害者になった」
ともあれ、これまでの取材では「原田豊實」なる人物の〃素顔〃を浮き彫りにすることはできなかった。だが、関係者の話を総合すると、先の事件の原田氏と〃この〃原田氏が同一人物であることが極めて濃厚だ。
そして取材を通して聞こえてきたのは、原田氏に対する懐疑的な話ばかりだった。そこには何らかの疑惑のにおいがかぎ取れたのは事実だ。
ということは、表面に現れていない原田氏の〃被害者〃が、水面下に留まっている実態があるのかも知れない。今後も否、その可能性が非常に高いので、取材を続けていく。
(ジャーナリスト・松木義和)
2010年08月03日
2007年11月27日
「この会社〃異常〃につき」 ――深く広がる大和生命保険(株)の「病巣」
取材を進めれば進めるほど「異常」な会社だということが伝わってくる。前号で報じた〃中園・大和生命〃のことである。その「天皇」ぶりは驚くほかはない。
社長就任するやいなや、セクハラ、パワハラ問題が発覚した大和生命保険株式会社(東京都千代田区)の中園武雄社長。
前号では、その「独善」「横暴」ぶりを報じたが、取材を進めていくと、同社の内実は想像を超える〃ひどさ〃ということが判った。
同社の元社員が言う。
「とにかく中園は〃恫喝〃と〃地位・報酬〃をチラつかせて、社員を操るのが常という手法。このため、中園の意向に逆らったら、すぐ降格、賃金カット――はてはクビです。
一方、中園の言うとおりの茶坊主は『ウイやつ』ということで取り入れます。このため中園の周辺はイエスマンばかりで、何かを進言する役員は誰もいない、といった状態です」
驚くほどの〃恐怖政治〃を敷いているのだ。
これに呼応する格好で、現役の中堅幹部が、
「信念と見識に照らして、トップ(中園)ひいては会社を正しい方向に導くのが取締役の使命、また正常に機能しているかを監視するのが監査役。ところが、わが社ではそれが全く機能していません。
自分の収入を増やしてくれた中園に、ブラ下がっているという状態。そろいもそろって、株主に対する背信行為をしていのが実態です」
と、こう続けるのである。
とにかく大和生命の〃病巣〃は、中園氏の社長就任期間に比例して、広く深くなっているという。
中園氏が社長に就任してから2年。こうした中園氏の「独善」「傲慢」経営の〃ツケ〃が、いまでは如実に顕在化してきた。
「計画と実績が乖離する一方で、大和のもともとのの優良資産を食いつぶしているという状態です。
こんな状態ですから、昨年から今年にかけて、企画部門をはじめ、中堅どころの30〜40代の人材がこぞって退職しました。
中園は20年度中に上場を目指す、と豪語しているが、本心は大和を外資などに丸ごと売却して逃げ出すのでは、と多くの社員が危惧しているのが正直なところです」(前出の現役社員)
いま生命保険業界は不払い問題で大揺れに揺れているのは周知のとおり。
そんな中、中園社長は会議の席上、全国の支社長に「解約させるな」「1件の解約も許さん」と〃檄〃を飛ばした、という。
「この暴言が社長命令として、全国の支社に発信されたのですから異常です。誰もが目茶苦茶な命令だと承知していながら、誰も何も言わない、いや言えないのです。こんな話が外部、とくに契約者に知れたら大変ですよ」
今年の株主総会でのこと。ある株主から「なぜ株主配当をしないのか。なぜ内部留保なのか」という質問があった、という。
ところが中園社長は、こうした声をまったく無視し、逆に今年度の役員報酬を2倍以上も引き上げたというから、まさに会社の私物化だ。
そのうえ、大和生命は執行役員なるものが異常に多い。また取締役も、社長のほか1名の平取りを除き、全員が常務取締役という異常な形態だという。 その異常さは数字で示せば、一目瞭然だ。すなわち、役員、執行役員を合わせると、全総合職の約1割を占めているのである。
「昨年のことですが、執行役員2人を採用しました。その年俸が、それぞれ2500万円です。ところが、なんの実績を上げずに、1年で2人とも退社。中園が強引に採用した結果が、これですよ。しかし、中園は今年も執行役員を補充しているのですから、あきれます」(前同)
役員報酬を倍増させた上、執行役員を〃乱造〃すれば、大和生命の事業費を確実に圧迫するのは、誰の目からも明らかだ――。
(以下、次号)
社長就任するやいなや、セクハラ、パワハラ問題が発覚した大和生命保険株式会社(東京都千代田区)の中園武雄社長。
前号では、その「独善」「横暴」ぶりを報じたが、取材を進めていくと、同社の内実は想像を超える〃ひどさ〃ということが判った。
同社の元社員が言う。
「とにかく中園は〃恫喝〃と〃地位・報酬〃をチラつかせて、社員を操るのが常という手法。このため、中園の意向に逆らったら、すぐ降格、賃金カット――はてはクビです。
一方、中園の言うとおりの茶坊主は『ウイやつ』ということで取り入れます。このため中園の周辺はイエスマンばかりで、何かを進言する役員は誰もいない、といった状態です」
驚くほどの〃恐怖政治〃を敷いているのだ。
これに呼応する格好で、現役の中堅幹部が、
「信念と見識に照らして、トップ(中園)ひいては会社を正しい方向に導くのが取締役の使命、また正常に機能しているかを監視するのが監査役。ところが、わが社ではそれが全く機能していません。
自分の収入を増やしてくれた中園に、ブラ下がっているという状態。そろいもそろって、株主に対する背信行為をしていのが実態です」
と、こう続けるのである。
とにかく大和生命の〃病巣〃は、中園氏の社長就任期間に比例して、広く深くなっているという。
中園氏が社長に就任してから2年。こうした中園氏の「独善」「傲慢」経営の〃ツケ〃が、いまでは如実に顕在化してきた。
「計画と実績が乖離する一方で、大和のもともとのの優良資産を食いつぶしているという状態です。
こんな状態ですから、昨年から今年にかけて、企画部門をはじめ、中堅どころの30〜40代の人材がこぞって退職しました。
中園は20年度中に上場を目指す、と豪語しているが、本心は大和を外資などに丸ごと売却して逃げ出すのでは、と多くの社員が危惧しているのが正直なところです」(前出の現役社員)
いま生命保険業界は不払い問題で大揺れに揺れているのは周知のとおり。
そんな中、中園社長は会議の席上、全国の支社長に「解約させるな」「1件の解約も許さん」と〃檄〃を飛ばした、という。
「この暴言が社長命令として、全国の支社に発信されたのですから異常です。誰もが目茶苦茶な命令だと承知していながら、誰も何も言わない、いや言えないのです。こんな話が外部、とくに契約者に知れたら大変ですよ」
今年の株主総会でのこと。ある株主から「なぜ株主配当をしないのか。なぜ内部留保なのか」という質問があった、という。
ところが中園社長は、こうした声をまったく無視し、逆に今年度の役員報酬を2倍以上も引き上げたというから、まさに会社の私物化だ。
そのうえ、大和生命は執行役員なるものが異常に多い。また取締役も、社長のほか1名の平取りを除き、全員が常務取締役という異常な形態だという。 その異常さは数字で示せば、一目瞭然だ。すなわち、役員、執行役員を合わせると、全総合職の約1割を占めているのである。
「昨年のことですが、執行役員2人を採用しました。その年俸が、それぞれ2500万円です。ところが、なんの実績を上げずに、1年で2人とも退社。中園が強引に採用した結果が、これですよ。しかし、中園は今年も執行役員を補充しているのですから、あきれます」(前同)
役員報酬を倍増させた上、執行役員を〃乱造〃すれば、大和生命の事業費を確実に圧迫するのは、誰の目からも明らかだ――。
(以下、次号)
山梨県・富士河口湖町長選で新人が当選! ついに崩壊した「小佐野王国」――疑惑の箱物行政が影を落とす
「王国」が崩壊した。去る11月18日に投開票した富士河口湖町の町長選で〃実力町長〃小佐野前町長が敗北した。実に20年にも及ぶ「箱物行政」が終えんを迎えた――。
「このまま小佐野町政が続けば、第2の夕張になるという町民の危惧――民意が伝わった、ということでしょう」
ある町民がホットした表情で、こう心情を吐露した。
山梨県・富士河口湖町の〃小佐野王朝〃が、音をたてて崩れ落ちた。去る11月18日に投開票された同町の町長選で、新人の渡辺氏に〃ドン〃が敗れたのである。
じつに20年にも及ぶ小佐野前町長の箱物行政に、町民が「NO」を突き付けた瞬間だった。
ある町民が振り返る。
「役場の庁舎建設、旧上九一色村の西湖いやしの里根場、町民プール、野外劇場、宝石産業センター――等々、さらには健康科学大学の誘致などを含めて、とにかく小佐野前町長は箱物行政を推進してきた。その結果、町の借金は、一戸あたり約170万円にも膨らんでいる、と言われています」
小佐野前町長は、こうした大型建設物を手掛け、バク大な費用をつぎ込んだという。
――巨額な金が動くところには、様々な人脈がうごめき、裏金が流れる。こうした大型建設物ができる度に、町長とその周辺の〃怪しい関係〃が指摘され、〃黒いカネ〃が流れた、との話が流布された。
「有名なところでは、甲府市に本社を置くH組との関係です。ほかS設計のK代表、F県議やO・T氏などが、前町長の〃周辺筋〃だった」(地元のある土建業者)
その象徴的な大型工事が、富士河口湖町役場の建設だという。
「これは平成15年10月に完成したのですが、その建設費用は約17億9000万円でした。これには、こうした町長の周辺筋のオールキャストが群がった。水面下では巨額な裏金が流れたと、いまでも語り草になっています」(前同)
また、来年オープン予定の町民プールも、疑惑がいっぱいだ。
「同工事は建設費約7億4000万円を投じたもので、町は指定管理制度を導入する方針。それで町が毎年7000万円以上の運営費を支払うとのことで、さらに借金が増え続けるというものです。
その指定管理者選定をめぐっては、町議会で見解が別れました。そんな中、指定管理者(6月に公募した結果、4団体が応募。うち1団体は書類不備だったという)と小佐野町長(当時)とのゆ着が指摘された」(地元事情通)
そんな状況において、真偽のほどは別にして、今回の小佐野氏の町長選出馬に絡んで、こんな話が流れていたという。
「小佐野氏は6月に引退を表明したのです。それが一転して9月に立候補を宣言した。当時、町長選に出る者がいないという様相でした。
それで、小佐野氏は立候補宣言をしたのです。一連の流れは『やはり、俺が立たなければ』という小佐野氏一流の〃かけひき〃と目されました。
だがその一方で、今後の様々な利権を踏まえたものであったことは、想像に難くない」(地元選挙通)
小佐野前町長が今回の選挙で負けた背景は、これだけではないと指摘する向きが少なくない。
それは町政の公私混同ぶりだ。
「町には16名の小佐野氏の身内の職員がいる、と言われています。また、息子の会社F土木と町発注の工事との深いつながりが、露骨に見受けられる」(前出の地元土建業者)
そして、その公私混同ぶりの最たるものが、旧河口湖グランドホテル問題だという。 (以下、次号)
「このまま小佐野町政が続けば、第2の夕張になるという町民の危惧――民意が伝わった、ということでしょう」
ある町民がホットした表情で、こう心情を吐露した。
山梨県・富士河口湖町の〃小佐野王朝〃が、音をたてて崩れ落ちた。去る11月18日に投開票された同町の町長選で、新人の渡辺氏に〃ドン〃が敗れたのである。
じつに20年にも及ぶ小佐野前町長の箱物行政に、町民が「NO」を突き付けた瞬間だった。
ある町民が振り返る。
「役場の庁舎建設、旧上九一色村の西湖いやしの里根場、町民プール、野外劇場、宝石産業センター――等々、さらには健康科学大学の誘致などを含めて、とにかく小佐野前町長は箱物行政を推進してきた。その結果、町の借金は、一戸あたり約170万円にも膨らんでいる、と言われています」
小佐野前町長は、こうした大型建設物を手掛け、バク大な費用をつぎ込んだという。
――巨額な金が動くところには、様々な人脈がうごめき、裏金が流れる。こうした大型建設物ができる度に、町長とその周辺の〃怪しい関係〃が指摘され、〃黒いカネ〃が流れた、との話が流布された。
「有名なところでは、甲府市に本社を置くH組との関係です。ほかS設計のK代表、F県議やO・T氏などが、前町長の〃周辺筋〃だった」(地元のある土建業者)
その象徴的な大型工事が、富士河口湖町役場の建設だという。
「これは平成15年10月に完成したのですが、その建設費用は約17億9000万円でした。これには、こうした町長の周辺筋のオールキャストが群がった。水面下では巨額な裏金が流れたと、いまでも語り草になっています」(前同)
また、来年オープン予定の町民プールも、疑惑がいっぱいだ。
「同工事は建設費約7億4000万円を投じたもので、町は指定管理制度を導入する方針。それで町が毎年7000万円以上の運営費を支払うとのことで、さらに借金が増え続けるというものです。
その指定管理者選定をめぐっては、町議会で見解が別れました。そんな中、指定管理者(6月に公募した結果、4団体が応募。うち1団体は書類不備だったという)と小佐野町長(当時)とのゆ着が指摘された」(地元事情通)
そんな状況において、真偽のほどは別にして、今回の小佐野氏の町長選出馬に絡んで、こんな話が流れていたという。
「小佐野氏は6月に引退を表明したのです。それが一転して9月に立候補を宣言した。当時、町長選に出る者がいないという様相でした。
それで、小佐野氏は立候補宣言をしたのです。一連の流れは『やはり、俺が立たなければ』という小佐野氏一流の〃かけひき〃と目されました。
だがその一方で、今後の様々な利権を踏まえたものであったことは、想像に難くない」(地元選挙通)
小佐野前町長が今回の選挙で負けた背景は、これだけではないと指摘する向きが少なくない。
それは町政の公私混同ぶりだ。
「町には16名の小佐野氏の身内の職員がいる、と言われています。また、息子の会社F土木と町発注の工事との深いつながりが、露骨に見受けられる」(前出の地元土建業者)
そして、その公私混同ぶりの最たるものが、旧河口湖グランドホテル問題だという。 (以下、次号)
2007年10月27日
〃毒グモのあみ〃の中でもがく資産家親子! エリート人生を歩んだ父と「バカ息子」による不当きわまる裁判の行方 ジャーナリスト 矢吹ゆうじ
一見すると、なんの変哲もない不動産の売買をめぐる〃トラブル〃。しかし、取材を進めていくと、裏では怪しい人脈が暗躍する、極めて奥行きが深い〃事件〃だ。(文中敬称略)
◆関係者がア然とする訴え
「訴えたのですか。ウソでしょう。法廷で何もかもが明らかにされると、むしろヤブヘビになります。もともと裁判所に持ち込むような案件じゃない。勝てるわけがない。バカ息子と聞いていましたが、まさに聞きしに勝る――ですね。立派な父親がいるのに・・・」 裁判に訴えたというのは、不動産売買をめぐるトラブルである。が、しかし、この話で代表されるように、関係者にしてみれば、トラブルでもなんでもなく、原告の勝手な言い分、不当で理不尽な申し立てだ、と断言する。
関係者の多くが、こう指摘するトラブルとは、こんな内容だ。
東京都目黒区八雲といえば、都内有数の高級住宅街で知られる。問題はその八雲町3丁目167―1にある土地建物の売買に関すること。
その土地約100坪および建物(グレートメゾンコマザワ)は、益戸欽也とその妻・信子および息子・欽明の3者共有の物件だった。
そのうちの1人、欽明が様々な事情(後述)から、自分の持ち分(6分の1)の不動産を、(株)オムニテクノス(本社・横浜市)に2億5000万円で売却したのは、今年の1月31日のこと。売買代金が完済したのだから、当然、不動産の登記簿謄本には、その所有権移転が記録されている。
そして、これを取得したオムニテクノス社は、同5月31日に(有)オールプロジェクト(本社・東京港区)に売却した。これもまた売買代金が完済したということは、登記簿謄本を見れば一目瞭然だ。
ここまではマスコミが取り上げるべきバリューなど全くない、なんの変哲もない日常的な不動産取引だ。
ところが――。
ある日突然、これを売却した前出の益戸欽明と、その父親である欽也が、オムニテクノスとの取引は不当として、土地建物所有権移転登記抹消の裁判を起こしたのである。
それが冒頭の話になるわけだが、この経緯を知っている、ある弁護士がこう言う。
「まったく問題外の話。当たり前のことですが、オ社側は代金を完済したのだから、所有権の移転となった。それは登記簿謄本を見れば明らかです。
それよりも、建物は益戸家族3人が共有していたもので、それをM社に賃貸しているのです。で、そのうち欽明分の6分の1を、オールプロジェクトが、現在所有しています。つまり、その賃料の6分の1はオール社が受領するものです。
それがオール社にまったく入金されていません。これはオール社の権利を侵害していることが明らかです。これを承知だとするならば、横領などの刑事事件を構成する可能性が大です」
◆背後で蠢く〃ヤバイ筋〃
こうした不当な申し立てを裁判に訴えている益戸親子――取材を進めていくと、先に関係者が指摘したように、欽明の「バカ息子」ぶりと、父親・欽也の「親バカ」体質が、浮き彫りされてくる。
欽明を古くからよく知る人物が打ち明ける。
「ハッキリ言ってバカ息子で、かなりヤバイ筋との交流がある。これまで、そうした連中の甘い言葉に乗り、だまされている。今回の問題も、そんな人脈にだまされてあげく、金策に万策つきたため、所有権移転登記抹消などという、まったく的はずれな裁判を起こしたわけです」
ここに出てきた欽明を取り巻くヤバイ筋――取材の結果、問題の不動産売買をめぐって、欽明の背後には確かに〃ヤバイ〃人物が蠢いていたことが判明した。
――かつて「龍神興業」という有名なカネ貸しがあったのをご記憶だろうか。
「確かオーナーは北系の人で、新宿で惨殺された。相当あくどい手口をしていたようです。会社はその後、どうなったのか」
こう記憶の糸をたどった大手新聞社会部記者の話を引き取る形で、くだんの土地売買における関係者の1人が明かす。
「龍神興業は、いまは(株)リュージー・キャピタルとして、殺されたオーナーの息子が経営しています。このリュージーが今回の案件で顔を出しています。こういう構図です。
都内に躍進という会社がありますが、ここの実質的な経営者がKで、先のリュージーの専務であるTが、この躍進の顧問になっています。つまり、両社はめっぽう親密です。
この躍進のKは覚せい剤で実刑を受けたという人物なのですが、例の益戸の息子・欽明とじっこんの仲。そうした関係なので、Kが金に詰まった欽明にリュージーを紹介し、欽明は金を借りたのです。
こうした人脈――そのほかミナミ建設不動産の南勇二も出てくるのですが――に欽明が食い物にされたわけです。
つまり、躍進やリュージーは益戸親子を金で縛り、手の内に入れて、裏で操っている形です。そして表では弁護士を立てて裁判です」
問題の土地建物の不動産登記簿謄本を見ると、確かにリュージー・キャピタルが、欽明の父親・欽也に1億3000万円を出していることが記録されている。
そして、ミナミ建設不動産も、クリーンテクノという社名で登場している(欽明が同社に2000万円の債務)。 このミナミ建設不動産について触れると、同社社長・南勇二は、かの有名物件「聖蹟桜ヶ丘」の中心人物として〃活躍〃。また数年前に問題になった、和牛の預託商法の影のオーナーとして、バク大な金を手にしたのは、知る人ぞ知るところだ。
いずれにしても、その道の名うての〃プロ〃だ。
◆「バカ息子と親バカだ」
こうした人脈が「バカ息子」と揶揄されている欽明を手玉に取るのは、赤子の手を捻るようなことだ、ということは理解できる。
だが、その父親の欽也までが連座しているのは、一体どうしたことか。こう疑問を抱くのも、欽也のその華麗なる経歴に由来する。
すなわち、早稲田大学大学院修士課程を卒業後、フランス政府給費留学生として滞仏。現在は経済評論家、国際政治経済研究所代表として活躍しているのだ(この間、貿易研修センターなどの講師、早稲田大学、産業経済研究所研究員などを歴任。国際経済学会、日本EC学会、日仏経済学会のメンバー)。
まさに絵に描いたようなエリート人生。冒頭の人物が「りっぱな父親がいるのに」と言った所以だ。
前出の関係者の1人が言う。
「一言で言うと、親バカということです。息子のために動いたのかも知れませんが、結局、先に言った人脈に、親子ともども食い物にされたのです。所有していた広大な土地および財産を剥ぎ取られた形です」
〃バカ息子〃のために、父・欽也がリュージー・キャピタルから1億3000万円を借りた(前述)のは、この話を裏書きする。
ともあれ、益戸欽也は目黒区八雲近辺では有名な大地主であり、先の経歴のとおり、これまで〃学者〃一筋に生きてきた人物だ。
それが、あたかも〃毒グモ〃の巣に捕捉され、にっちもさっちも行かなくなったという図式だ。汝、晩節を汚すなかれ――である。
話を戻すと、この不当な裁判によって、多大な損害を被っているのが、オムニテクノスから問題の物件を買い受けたオール・プロジェクト社だ。
同社の顧問弁護士が言う。
「オ社は同物件を取得するにあたり、当然、資金を調達したので、その金利が大きい。益戸とオムニテクノスの裁判のため、動くに動けない状態だ。このままでは損害賠償の問題も発生する」
さて、この問題、今後どう発展するのか。これまで述べたように様々な人脈が暗躍しているだけに、当局も注目することが観測されている。
なお、益戸親子と〃黒い人脈〃との相関関係については次号で、さらに詳しくレポートする。
◆関係者がア然とする訴え
「訴えたのですか。ウソでしょう。法廷で何もかもが明らかにされると、むしろヤブヘビになります。もともと裁判所に持ち込むような案件じゃない。勝てるわけがない。バカ息子と聞いていましたが、まさに聞きしに勝る――ですね。立派な父親がいるのに・・・」 裁判に訴えたというのは、不動産売買をめぐるトラブルである。が、しかし、この話で代表されるように、関係者にしてみれば、トラブルでもなんでもなく、原告の勝手な言い分、不当で理不尽な申し立てだ、と断言する。
関係者の多くが、こう指摘するトラブルとは、こんな内容だ。
東京都目黒区八雲といえば、都内有数の高級住宅街で知られる。問題はその八雲町3丁目167―1にある土地建物の売買に関すること。
その土地約100坪および建物(グレートメゾンコマザワ)は、益戸欽也とその妻・信子および息子・欽明の3者共有の物件だった。
そのうちの1人、欽明が様々な事情(後述)から、自分の持ち分(6分の1)の不動産を、(株)オムニテクノス(本社・横浜市)に2億5000万円で売却したのは、今年の1月31日のこと。売買代金が完済したのだから、当然、不動産の登記簿謄本には、その所有権移転が記録されている。
そして、これを取得したオムニテクノス社は、同5月31日に(有)オールプロジェクト(本社・東京港区)に売却した。これもまた売買代金が完済したということは、登記簿謄本を見れば一目瞭然だ。
ここまではマスコミが取り上げるべきバリューなど全くない、なんの変哲もない日常的な不動産取引だ。
ところが――。
ある日突然、これを売却した前出の益戸欽明と、その父親である欽也が、オムニテクノスとの取引は不当として、土地建物所有権移転登記抹消の裁判を起こしたのである。
それが冒頭の話になるわけだが、この経緯を知っている、ある弁護士がこう言う。
「まったく問題外の話。当たり前のことですが、オ社側は代金を完済したのだから、所有権の移転となった。それは登記簿謄本を見れば明らかです。
それよりも、建物は益戸家族3人が共有していたもので、それをM社に賃貸しているのです。で、そのうち欽明分の6分の1を、オールプロジェクトが、現在所有しています。つまり、その賃料の6分の1はオール社が受領するものです。
それがオール社にまったく入金されていません。これはオール社の権利を侵害していることが明らかです。これを承知だとするならば、横領などの刑事事件を構成する可能性が大です」
◆背後で蠢く〃ヤバイ筋〃
こうした不当な申し立てを裁判に訴えている益戸親子――取材を進めていくと、先に関係者が指摘したように、欽明の「バカ息子」ぶりと、父親・欽也の「親バカ」体質が、浮き彫りされてくる。
欽明を古くからよく知る人物が打ち明ける。
「ハッキリ言ってバカ息子で、かなりヤバイ筋との交流がある。これまで、そうした連中の甘い言葉に乗り、だまされている。今回の問題も、そんな人脈にだまされてあげく、金策に万策つきたため、所有権移転登記抹消などという、まったく的はずれな裁判を起こしたわけです」
ここに出てきた欽明を取り巻くヤバイ筋――取材の結果、問題の不動産売買をめぐって、欽明の背後には確かに〃ヤバイ〃人物が蠢いていたことが判明した。
――かつて「龍神興業」という有名なカネ貸しがあったのをご記憶だろうか。
「確かオーナーは北系の人で、新宿で惨殺された。相当あくどい手口をしていたようです。会社はその後、どうなったのか」
こう記憶の糸をたどった大手新聞社会部記者の話を引き取る形で、くだんの土地売買における関係者の1人が明かす。
「龍神興業は、いまは(株)リュージー・キャピタルとして、殺されたオーナーの息子が経営しています。このリュージーが今回の案件で顔を出しています。こういう構図です。
都内に躍進という会社がありますが、ここの実質的な経営者がKで、先のリュージーの専務であるTが、この躍進の顧問になっています。つまり、両社はめっぽう親密です。
この躍進のKは覚せい剤で実刑を受けたという人物なのですが、例の益戸の息子・欽明とじっこんの仲。そうした関係なので、Kが金に詰まった欽明にリュージーを紹介し、欽明は金を借りたのです。
こうした人脈――そのほかミナミ建設不動産の南勇二も出てくるのですが――に欽明が食い物にされたわけです。
つまり、躍進やリュージーは益戸親子を金で縛り、手の内に入れて、裏で操っている形です。そして表では弁護士を立てて裁判です」
問題の土地建物の不動産登記簿謄本を見ると、確かにリュージー・キャピタルが、欽明の父親・欽也に1億3000万円を出していることが記録されている。
そして、ミナミ建設不動産も、クリーンテクノという社名で登場している(欽明が同社に2000万円の債務)。 このミナミ建設不動産について触れると、同社社長・南勇二は、かの有名物件「聖蹟桜ヶ丘」の中心人物として〃活躍〃。また数年前に問題になった、和牛の預託商法の影のオーナーとして、バク大な金を手にしたのは、知る人ぞ知るところだ。
いずれにしても、その道の名うての〃プロ〃だ。
◆「バカ息子と親バカだ」
こうした人脈が「バカ息子」と揶揄されている欽明を手玉に取るのは、赤子の手を捻るようなことだ、ということは理解できる。
だが、その父親の欽也までが連座しているのは、一体どうしたことか。こう疑問を抱くのも、欽也のその華麗なる経歴に由来する。
すなわち、早稲田大学大学院修士課程を卒業後、フランス政府給費留学生として滞仏。現在は経済評論家、国際政治経済研究所代表として活躍しているのだ(この間、貿易研修センターなどの講師、早稲田大学、産業経済研究所研究員などを歴任。国際経済学会、日本EC学会、日仏経済学会のメンバー)。
まさに絵に描いたようなエリート人生。冒頭の人物が「りっぱな父親がいるのに」と言った所以だ。
前出の関係者の1人が言う。
「一言で言うと、親バカということです。息子のために動いたのかも知れませんが、結局、先に言った人脈に、親子ともども食い物にされたのです。所有していた広大な土地および財産を剥ぎ取られた形です」
〃バカ息子〃のために、父・欽也がリュージー・キャピタルから1億3000万円を借りた(前述)のは、この話を裏書きする。
ともあれ、益戸欽也は目黒区八雲近辺では有名な大地主であり、先の経歴のとおり、これまで〃学者〃一筋に生きてきた人物だ。
それが、あたかも〃毒グモ〃の巣に捕捉され、にっちもさっちも行かなくなったという図式だ。汝、晩節を汚すなかれ――である。
話を戻すと、この不当な裁判によって、多大な損害を被っているのが、オムニテクノスから問題の物件を買い受けたオール・プロジェクト社だ。
同社の顧問弁護士が言う。
「オ社は同物件を取得するにあたり、当然、資金を調達したので、その金利が大きい。益戸とオムニテクノスの裁判のため、動くに動けない状態だ。このままでは損害賠償の問題も発生する」
さて、この問題、今後どう発展するのか。これまで述べたように様々な人脈が暗躍しているだけに、当局も注目することが観測されている。
なお、益戸親子と〃黒い人脈〃との相関関係については次号で、さらに詳しくレポートする。
いつまで続く老舗生保「大和生命」中園社長の独断専行 もの言えぬ〃恐怖体制〃はさながら「中園王朝」の様相
生保業界に「大和生命保険株式会社」(東京都千代田区、中園武雄社長)という老舗企業がある。生保業界といえば、いま、不払い問題で揺れているが、同社にあっては様々な〃内部問題〃で大揺れに揺れているのだ。そして、その〃元凶〃が経営トップの中園社長だというのだから深刻だ。
その前身は、明治44年に設立された「日本徴兵保険(株)」というのだから歴史は古い。大和生命保険株式会社のことだ。
同社の社長・中園氏は1昨年の平成17年6月に就任したのだが、
「とにかくワンマン。やりたい放題の1人天下です。しかも、それがことごとく失敗している。その社長に対して、諌言しようものなら、即減給、左遷ですから、誰もが何も言えないのです。勢い、社長周辺には茶坊主ばかりが集まってくる」
というような、中園社長の〃資質〃に関する、複数の内部告発が小紙に届いた。
ちなみに、中園社長は04年に不正経理が発覚した「日興コーディアル証券」の副社長だった人物。周知のとおり、同事件では前社長をはじめとする経営陣が退任に追い込まれた。
だが、ただ1人、中園氏は大和生命保険の社長へと華麗なる転身をしたわけだが、これについて、
「副社長といっても、まったく存在感のない〃軽い〃存在だった。だから日興の重要案件に関しては、カヤの外だった。皮肉にも同事件では、これが幸いしたわけです」(関係者)
こんな見方も出るほどで、
「その一方で、異常に出世欲が強く、大和生命のN相談役に食い込み、N相談役に請われた形で社長に就任したのです。もっとも、そのN氏も今や中園社長を見放していますが・・・」(大和生命元社員)
という。
問題の中園社長、社長に就任するや、自身のセクハラ、パワハラ問題が発覚したというから驚く。
「セクハラ問題は昨年の株主総会で追及されました。パワハラはある支店長を、いきなり降格させたことで、裁判沙汰になりました」(現社員のA氏)
その上での独断専行だ。その象徴的なものがFA組織だという。これは新社長としての中園氏が、業績拡大の目玉として推進したものだが、
「FA組織という支社を立ち上げ、そのトップを外部から2人招聘した。全国の主要都市に作ったのですが、ほとんどのFA支社が失敗です。外部からスカウトした2人も退社する始末です。その2人には2500万円の年俸を支払っていたとのことですが、とにかく、これを含めてFA組織にバク大な金を投入した」(前同)
これを引き取る形で、やはり現社員であるB氏が、声を潜めながらも怒りを込めて言う。
「現在FA支社は一体どうなっているのか。FA支社の陣容と業績および保有と継続率、関連する経費、今後の展望││等々をつぶさに明らかにしてもらいたい。さらには中園社長をはじめとする担当役員の結果責任をはっきりしてほしい」
ワンマンで物など言えない中園社長ゆえ、これは〃勇気〃を振り絞っての発言だ。しかし、これが社員の最大公約数の声と目される。
生命保険会社と言えば、いま問題になっているのが不払い問題だ。金融庁が9月末を期限として各社に命じた内部調査の結果、38社で不払いは120万件、総額で実に910億円に上ったという。
そんななか、大和生命・中園社長は、「全国の支社長会議の席上、『解約させるな』『1件の解約も許さん』と檄を飛ばした。まったく無神経な話です。こんな無謀発言が、そのまま社長命令で、全国に発信されてしまう体制は、もはやコントロール不能状態といった趣きです」(前出のB氏)
こんな姿勢というのだから、解約を極端に渋る同社には、契約者の苦情が殺到しているという。
これには後日談がある。
「その後、中園は慌てて『誤解を招かぬよう契約者には良く説明するように』とする文書を発信しました」(同)
このように大和生命は、中園社長が就任して以来、社長周辺には反対が一切できない会社になってしまった、という。
「骨のある社員は追いやられ、多くの社員は退職しました。いまや中園周辺はイエスマンの集まりです。
がしかし、大げさではなく、それ以外の9割以上の社員は『誰かが何とかして欲しい』『このままでは・・・』と思っています。口には出さないが、実は、一部の役員もさすがに、このままでは――と考えている節があります」(前出のA氏)
取材すればするほど、大和生命・中園社長の〃恐怖体制〃が浮き彫りされてくるのだが、小紙では〃信じられない理由〃で解雇された元社員に話を聞くことができた。
こうした大和生命の所業は、まさに「不当」と言わざるを得ない。労働基準監督署も黙っていないはずだ。この問題については次号で詳しく述べる。
その前身は、明治44年に設立された「日本徴兵保険(株)」というのだから歴史は古い。大和生命保険株式会社のことだ。
同社の社長・中園氏は1昨年の平成17年6月に就任したのだが、
「とにかくワンマン。やりたい放題の1人天下です。しかも、それがことごとく失敗している。その社長に対して、諌言しようものなら、即減給、左遷ですから、誰もが何も言えないのです。勢い、社長周辺には茶坊主ばかりが集まってくる」
というような、中園社長の〃資質〃に関する、複数の内部告発が小紙に届いた。
ちなみに、中園社長は04年に不正経理が発覚した「日興コーディアル証券」の副社長だった人物。周知のとおり、同事件では前社長をはじめとする経営陣が退任に追い込まれた。
だが、ただ1人、中園氏は大和生命保険の社長へと華麗なる転身をしたわけだが、これについて、
「副社長といっても、まったく存在感のない〃軽い〃存在だった。だから日興の重要案件に関しては、カヤの外だった。皮肉にも同事件では、これが幸いしたわけです」(関係者)
こんな見方も出るほどで、
「その一方で、異常に出世欲が強く、大和生命のN相談役に食い込み、N相談役に請われた形で社長に就任したのです。もっとも、そのN氏も今や中園社長を見放していますが・・・」(大和生命元社員)
という。
問題の中園社長、社長に就任するや、自身のセクハラ、パワハラ問題が発覚したというから驚く。
「セクハラ問題は昨年の株主総会で追及されました。パワハラはある支店長を、いきなり降格させたことで、裁判沙汰になりました」(現社員のA氏)
その上での独断専行だ。その象徴的なものがFA組織だという。これは新社長としての中園氏が、業績拡大の目玉として推進したものだが、
「FA組織という支社を立ち上げ、そのトップを外部から2人招聘した。全国の主要都市に作ったのですが、ほとんどのFA支社が失敗です。外部からスカウトした2人も退社する始末です。その2人には2500万円の年俸を支払っていたとのことですが、とにかく、これを含めてFA組織にバク大な金を投入した」(前同)
これを引き取る形で、やはり現社員であるB氏が、声を潜めながらも怒りを込めて言う。
「現在FA支社は一体どうなっているのか。FA支社の陣容と業績および保有と継続率、関連する経費、今後の展望││等々をつぶさに明らかにしてもらいたい。さらには中園社長をはじめとする担当役員の結果責任をはっきりしてほしい」
ワンマンで物など言えない中園社長ゆえ、これは〃勇気〃を振り絞っての発言だ。しかし、これが社員の最大公約数の声と目される。
生命保険会社と言えば、いま問題になっているのが不払い問題だ。金融庁が9月末を期限として各社に命じた内部調査の結果、38社で不払いは120万件、総額で実に910億円に上ったという。
そんななか、大和生命・中園社長は、「全国の支社長会議の席上、『解約させるな』『1件の解約も許さん』と檄を飛ばした。まったく無神経な話です。こんな無謀発言が、そのまま社長命令で、全国に発信されてしまう体制は、もはやコントロール不能状態といった趣きです」(前出のB氏)
こんな姿勢というのだから、解約を極端に渋る同社には、契約者の苦情が殺到しているという。
これには後日談がある。
「その後、中園は慌てて『誤解を招かぬよう契約者には良く説明するように』とする文書を発信しました」(同)
このように大和生命は、中園社長が就任して以来、社長周辺には反対が一切できない会社になってしまった、という。
「骨のある社員は追いやられ、多くの社員は退職しました。いまや中園周辺はイエスマンの集まりです。
がしかし、大げさではなく、それ以外の9割以上の社員は『誰かが何とかして欲しい』『このままでは・・・』と思っています。口には出さないが、実は、一部の役員もさすがに、このままでは――と考えている節があります」(前出のA氏)
取材すればするほど、大和生命・中園社長の〃恐怖体制〃が浮き彫りされてくるのだが、小紙では〃信じられない理由〃で解雇された元社員に話を聞くことができた。
こうした大和生命の所業は、まさに「不当」と言わざるを得ない。労働基準監督署も黙っていないはずだ。この問題については次号で詳しく述べる。


